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主な収蔵作品ご紹介
紅梅
日本画作品
前田 青邨(まえだせいそん)(1885-1977)  「紅梅」

明治18年 岐阜県生まれ。
梶田半古に師事し、大正3年再興院展の発足とともに安田靫彦(ゆきひこ)らと参加、「靫彦、青邨」は当時、院展の二大支柱として活躍しました。歴史画を専門としわが国の古典を基幹に、幅広い学習を積み、深い静寂の漂う画面にはその高い格調が見られます。88歳の高齢で門下生とともに高松塚古墳の壁画を摸写しました。
本作品はまさに春草を肌いっぱいに感じさせる紅梅図です。ぬくむ大気を染めるかのような紅の華やぎ、春を喜ぶ二羽の歌声、大胆な円形の枝ぶりによって展開されるこの画面は、日本の美意識が桃山の古い時代から生み出した装飾画法、琳派の様式を思わせます。持ち前の古典の勉強から感嘆した琳派の創始者宗達の世界をいまに生かすこの作品は、青邨が咲かせた気品と香気ただよう日本美といえるでしょう。

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